過呼吸や登校拒否、人の目が怖いなどのさまざまな異変が現れていた中学生の私は、母に腕を引っ張られるようにして精神科を訪れました。



偏見を持ったまま精神科へ
2007年当時は中学生を診てくれる精神科は少なく、母があちこちに電話をかけてやっと見つけたところでした。
正直、とても行きたくありませんでした。
明らかに私も同じ部類なのに、「なんで私が精神科なんかに」という考えが止まりませんでした。
そこにいるだけで「あなたは頭がおかしい」と言われているような気がして、すごくすごく不愉快でした。
今となっては頭がおかしかったのは間違っていないし、精神科にかかる人への偏見は全くないですが……当時は無知だったのでね……すみません。
精神科の待合室と診察室の雰囲気
待合室の空気はなんだか異様にゆっくりしていました。
みんな眠いのか調子が悪いのか、頭が垂れているように見えました。もっとも、人が怖いので目視はできていませんが。雰囲気でそう察しました。
しばらく待つと、診察室に呼ばれました。
ドアを開けると白い壁の広い部屋に、院長のダークブラウンの大きな机がドンと構えていました。そこに佇む大柄の院長。
観葉植物も置いてあって、落ち着いた雰囲気。
精神科での診察
診察は向かい合わせで行いました。これじゃ観葉植物があっても全然落ち着かねぇよ。
院長は私のこれまでの困り事を一つずつ聞いてきました。ゆっくりと、穏やかに。
でも私はすごく緊張して、手汗がびしょびしょです。制服のスカートで拭いながら、質問に答えていきました。
30分くらい話したでしょうか。
最後に「転換性障害ですね」と言われました。
これはすごく簡単に言えば、心の不調が身体に現れてしまう病気です。
思い当たる節はありました。
診断名を聞いたときは精神病だと認めたくない反面、自分の困り事にはどうにもならない理由があるんだと知れて、少しだけホッとしました。
今考えればたった30分話しただけで診断ってできるもんなの?って感じですが。
精神科の薬の処方
その日はジプレキサという薬を処方されました。
精神科の薬を飲むのには抵抗があったのですが、少しでもこの辛い状況が良くなるなら……と、がんばって飲むことにしました。
精神科の診察後のカウンセリング
院長の診察の後は、カウンセリングに回されました。
別室でカウンセラーが待機しているんです。
これがひどくてですね……
1時間くらい私のことを根掘り葉掘り聞いた挙げ句、「あなたは今、心の風邪を引いている状態だから」と言うんです。
「きっと治るよ、大丈夫だよ」という励ましの言葉だったのかもしれないですけど、あのときの私にはとても受け入れられない言葉でした。
こんなに何ヶ月もしんどいのに、風邪なわけがないじゃないかって。
専門家ですら私のことはわからないし、わかったようなことを言わないでほしい。
そんな反抗心がみるみる湧いてきて、話を続ける気がまるでなくなってしまいました。
気付けば「これ以上話すことはないです」と強制終了させていました。人の目より私の方が怖いですよね。
二度と訪れなくなってしまった1軒目の精神科
帰る前にカウンセリングの予約を入れられそうになりましたが拒否して、そのクリニックへも二度と行かなくなってしまいました。
出された薬は2週間分きっちり飲みましたが、効果も副作用も何もないまま。ただのラムネだったようです。