できていると思っていたことが錯覚だったかもしれなかった件。

セメントアウトで手こずるわ、イレギュラー案件が連続で起こるわ、急患が立て続けに来るわ、生理前で絶不調だわで本当にクソみたいな働きぶりをした土曜日。

あまりにも指示待ち人間化していた私が院長から告げられた「指示を出される前に自分で考えて動けるようになってね」という言葉が、「これまでの私ができていると思っていたことは錯覚だったのかもしれない」という凶器に変わって襲います。

そんな切なくも恐ろしいお話。

とある歯科医院の慌ただしい土曜日。

クソみたいな働きぶりの詳細を大公開しちゃうぜ。

またもやセメントアウトで診療が押す。

昨日に引き続き、診療が押しました。犯人は私です。またもやセメントアウトがうまくいかなかった。

押してダメなら引いてみろ、ってな感じで、あの手この手、あっちからこっちからアプローチしたんですけど、華麗にフられる探針。

結局また院長に代打を頼みました。

モームリ。

“セット予定のインレー・クラウンの不適合→再印象”というイレギュラーの連続発生。

セット予定のインレーやクラウンが不適合で再印象、という流れは今のクリニックに勤めて初めて。なんなら、私の数少ない衛生士人生の中で初めて。私にとっては大変なイレギュラーでした。「そんなことあるんですね?」と言う患者さんに「ほんとに、ねー!」と返してしまうところだった。

しかもクラウンの方は支台歯が低くて、レジンを足すという作業が追加されるという。診療は押す一方。

印象が一発でキマったのだけが不幸中の幸いですよ。私、水と粉を混ぜる系、失敗するので(ドヤ顔)。

診療終了間際に急患2名来院。

診療終了間際に急患が2人来ました。

長らく待たせていたので早く通さなきゃ!という気持ちで2人目の急患さんを通したんですね。

そしたらすでに1人目の急患さんを院長が診ていて、誰もアシストしていなかったことを知りました。1人目の急患さんが帰った後で。

「俺が診てるときについててくれないと。で、会話の内容を記録してくれないと。」と言われてしまいました。

いやアホすぎんだろ……

2人目の急患さんを通すということは1人目はもう通されてるってことなのに……

私は1人目の急患さんのことをDH枠の患者さんだと思い込んでいたんですよ。院長が診ているのはチェックしているだけだと、院長の横にはDHが立っているんだと思い込んでいたんですよ。

振り返ってみればそのとき既に1人のDHは退勤していて、もう1人のDHは定検をしていたんです。だからDHがつくことは不可能だったんですよね。

アシスタントは私一人。その私は2人目の急患さんの主訴なんか聞いちゃってる。

院長は絶対にアシスタントがいてほしいタイミングで急にほっぽり出された形になります。平謝り。

いやぁ、我ながら実にクソすぎて笑えもしない。

生理前のポンコツ×喉カラカラの私。

私のライフはセメントアウトに手こずった時点でほぼ0。

追い討ちをかけるかのように今日は生理前特有の体の重さがひどく、ビックリするくらい頭が回りませんでした。

今回はピルを飲んでいないから、PMSが強く出ているのかもしれない。

さらには忙しすぎて、2時間以上水を1滴も飲めなくて、より一層頭がボーッとしていたんですよね。

インカムの声も、院長と患者さんの会話も、全然脳ミソに届かないの。もはや耳にも届いていない。わりと本気で耳にシャッターを下ろしているような感覚。

そんなんでいろんなことがスムーズにいくわけがないんですよね!!

院長「指示を出される前に自分で考えて動けるようになるといいね。」

全患者さんが帰った後、院長に「指示を出される前に自分で考えて動けるようになるといいね。」と言われました。

もう、汗やら蒸気やらが一瞬にして浮かび上がってきましたね。ゴーグルが曇る曇る。

今日はコア印象の患者さんのTEKの清掃を指示されるまでやらなかったり(正しくは、指示されても何を指示されているのかわからなかった)、支台歯にCR足す前にサスブラシを用意しなかったり、脱離クラウンの再セットの前に、クラウン内についたセメントを取っておかなかったり、ということがあったからそういうことを言われたんだと思います。正直書ききれないほどいろいろ抜けていました。

言い訳はあります。体調があまりよくなく頭が回らなかったとか、アシストに途中から参加したから気付かなかったとか、今の医院でその処置を見るのは初めてだったとか。

でもそれにしても院長から逐一指示をもらわないと動けなかったのは確か。

だから言われてもしょうがないと思うんだけどね、

普段私は指示を出される前に動いているつもりだったのよ。あっちからこっちから、使いそうなものを持ってきていたつもりなのよ。

週1~2回の出勤で11ヶ月かけてようやくそんなことができるようになってきて、少しはクリニックに貢献できてるかな、と思えるようになったところだったのよ。

そんなとき、「指示を出される前に自分で考えて動けるようになるといいね。」なんて言われたものだから、私ができていると思っていたことは全部錯覚だったのかな、と思ってしまったわけであります。

正直めちゃくちゃ怖かった。自分と他人の認識のズレってこんなにデカいんだ、って。人間不信になりそうなレベル。

確かに今日の働きぶりはクソを極めていたけれど。猛省して次回に繋げようと、思考停止でも動けるようにしようと思うけれど。

院長からのご指摘によってまた“医院のお荷物感”が顔を出し始めてしまいました。

院長はきっとそんなつもりで言ったわけではないとも思うんだけどね。私ならできると思うから、期待して言ってくれてると思うんだけどね。がんばって!と応援してくれるし。

だけど。

「いつもいろいろ考えながら動いてくれているとは思うんだけど、」という前置きが、よりキツかったです。

「これからあえて指示を出さないようにするから。考えない癖がついちゃうと良くないから。」もなかなかキツかったです。

これでも頭フル回転させながら動いてるんだよおおおおおおおおおおおおおおおあおあおあおあおおおおおおおおおおおおおお

それじゃあ足りないということですね。ハイ。

私としては知識が足りないんだと思っています。前職で2年間アシスト業務をやったけど、治療の流れ、全然わからなかったもんなぁ。というか考えもしなかった。部分部分でついていたからなのか。

そもそも保存系の処置に全然興味を持てなかったんだよね。それゆえにわからないこともなくて、何も勉強しなかったんだよね。吹けば飛ぶような、粉みたいな2年間だったんです、今思えば。

今は否が応でも治療の流れを覚えないといけないので、少しくらいは衛生士らしくなってきていると思います。

でも週1~2勤務じゃなかなか出くわさないケースもあって、進みは悪いですよね。

もう腹を括って、保存修復や補綴の教科書を開かないとダメそうです。教科書の1ページが鉛のように重いぞ。