私が真田広之のファンになったのは、映画『亡国のイージス』(2005)を観たことがきっかけ。
真田広之にフェイタリティされ続ける私。
当時中学生になったばかりの私は、イケオジの放つ銃にあっさりと心臓を撃ち抜かれた。この世にこんなにかっこいいおじさんがいたなんて。おじさんがこんなにかっこいいだなんて。衝撃だった。
真田広之は現在65歳。誕生日が来れば66歳だ。私が子育てに追われている間にアラ古希になっていた。
それでも日本刀を捌く様は今も変わらずかっこいい。キャーキャー言ってしまう。
むしろ年を重ねる毎に刀に重みが増して、肉体よりもっと深いところを斬っているように感じられてゾクゾクする。
真田広之が刀を振れば、私は魂までも木端微塵だ。モータルコンバット至上最も残忍なフェイタリティを決め込まれる。
真田広之の魅力を分析する。
さて、私がこれほどまでに真田広之が好きで、憧れを持つ理由は何なのだろうかと考えてみた。「好きなものに理由なんて要らない!」とは言うが、絶対に理由はあって、それを言語化してみたくなったのだ。
顔が美しい
まず、顔が整い過ぎている。ファーストインプレッションはこれだった。特に横顔の、鼻根から顎先までのラインが美しすぎる。
綾鷹のCMを見たときは彫刻かと思った。イエス・キリストを拝むかのような、神聖な気持ちになった。髪型と髭は確実にそれだった。
とにかく真田広之の造形に「イケメン」などという言葉は軽すぎる。「ハンサム」でも「マシ」といったレベルだ。真田広之の顔の美しさを表すのにぴったりの日本語を、誰か教えてほしい。
所作が美しい
そして、身のこなしが美しい。身のこなし“も”と言った方がいいだろうか。顔も動きも美しいとは……本当に神聖な人なのかもしれない。そうならば寝る間も惜しんで拝む。
身体能力がずば抜けているだけで相当ポイントが高いのだが、そのうえにひとつひとつの所作が美しい。日本舞踊を学んだからなのだろうか。
その所作には“日本”を感じる。真田広之の動く姿を見ていると、私の中の日本が騒ぎ出すのだ。すごく着物を着たくなるし、かんざしなんか挿したくなる。それで玄関で三つ指ついて、しっとりと「お帰りなさいませ」などと言いたくなる。真田広之に。
“日本人の日本”を引き出す力を、真田広之の所作は持っている。
視線に宿る色気
だけれど「顔が良い」「動ける」俳優はほかにもいる。佐藤健もその類の人だろう。
それではなぜこんなにも真田広之にだけ溺れているのだろうかと考えると、「視線に宿る色気」のためだと気付いた。
真田広之の視線は自由自在だ。あっちを向いたりこっちを向いたり。だけれどその動きは点と点ではなく、すべて線で繋がっている。細かな揺れ動きも全部線。私も真似してやってみたが、全くもってできないのだ。演技の超級ド素人だから、というのはあるかもしれないが。
とにかく“視線で伝える力”がすごい。覚悟とか怒りとか悲しみとか、悲しみの中にある喜びとかを、すべて視線で伝えてくる。口では多くを語らずに。それが真田広之の色気を作っているのだと思う。
例えば『月桂冠』のCMの、女性に会釈をするシーンとか、
映画『ラストサムライ』で侍姿を馬鹿にされるシーンや、トム・クルーズとすれ違うシーンとか、
最近のものだと、ドラマ『将軍-SHOGUN- シーズン2』の制作を知らせるDisney+のショート動画での、振り向いて立ち去るシーンとか、
わかりますか?!目の動きが線で繋がっていることが!!そこで感情が語られていることが!!
私は演技について評価できるほど作品を観ていない。演技だけでなく、それを評価することさえド素人だ。だがこの視線を使った演技は、なかなかできるものではないことだけはわかる。私が虎永様に憧れて振り向きざまに視線を落としてみても、ただ足元を確認しているだけの人にしかならない。あまりにも緻密なことを、真田広之はやってのけているのだと思う。
そんなわけで、真田広之の最大の魅力は「視線に宿る色気」だと、2026年6月時点では結論付けたい。
真田広之の色気はエボリューションしていく。
どこかの誰かが真田広之を「ワインのような男だ」と比喩していたけれど、本当にそう思う。年を重ねるほどかっこよくなるのだもの。ズルい。私も真田広之になりたい。
きっと70代になったら色気はもっとすごいことになるし、80代になったらもっともっとすごいことになる。間違いない。
私はこれから先もずっとこの色気に心臓を撃ち抜かれ続けるし、フェイタリティされ続けるのだ。どんなに銃創まみれになっても、体が真っ二つになっても、私は何度でも生き返る。それが真田広之によるものならば、生きていくのが楽しみでならない。こんなに幸せな人生があるだろうか。
はあ、大好き。
演技から離れたときの「品の良さ」も真田広之の魅力のひとつ。
演技から離れたインタビューや会見で、真田広之はいつもひとつひとつの言葉を丁寧に選び、発している。人前に立てば、スーツの裾をピシッと直す。その姿から品の良さが溢れ出ている。それも真田広之の魅力のひとつだろう。
気品が大渋滞した真田広之から抜け出せない。抜け出せるわけがない。むしろずっとそこに留まっていていい。それがいい。